腹圧性尿失禁

女性にはポピュラーな尿漏れタイプ。尿意とは関係なく起こる失禁。

腹圧性尿失禁とは

おなかに「グッ」と圧力がかかったとき、膀胱に溜まった尿を保持できなくなってもれてしまうタイプの尿失禁です。尿意とは関係なく起こります
たとえば咳、くしゃみ、ジャンプ、重いものを持ち上げるなどの動作で漏れを生じます。原因は、妊娠や出産、加齢などで尿道括約筋をはじめとする骨盤底の筋群がゆるんだり、尿道を支える組織が弱くなったりすることとされています。
また、意外な原因としては腹筋運動も腹圧性尿失禁を悪化させるので要注意です。女性ではもっともポピュラーな尿漏れのタイプです。

治療方法

腹圧性尿失禁の治療の中心は、「骨盤底筋体操」です。 緩んでしまった骨盤底筋を鍛えて臓器が下がるのを防ぎ、尿道や肛門を締める力やコントロールする力をつけることで尿漏れを防ぐ方法です。
また、肥満の方や最近急に太った方は減量が有効なことがあります。骨盤底筋訓練などの保存的療法では改善しない場合、または不満足な場合は手術の適応となります。
薬による治療では、尿道を引き締める働きがある薬(β受容体刺激薬)などを用います。手術には、尿道を吊り上げる方法(尿道スリング手術)や、コラーゲンを注入して尿道の筋肉を強くする方法などがあります。

肛門挙筋の筋力アップ
骨盤底筋体操:
肛門挙筋の筋力トレーニングを行い、尿道のバックサポートを強化します。体に対する侵襲性が少ないものの、個人差はありますが効果が感じられるまで1~2か月ほどかかるとされ、根気よく続ける必要があります。
手術で尿道のバックサートを再構築
尿スリング手術:
尿道の裏側にメッシュテープを通して直接バックサポートを再構築する方法です。 効果が最も高く、手術の侵襲性も比較的低いため、もっとも行われている方法です。一般的にTOT/TVT手術と言われているものです。