ウイルス性イボ

種類によって、さまざまな治療法が存在。人から人へ感染するウイルス性イボ。

ウイルス性イボとは

ヒト乳頭腫ウイルスがヒトの皮膚や粘膜に感染してできる良性腫瘍です。人から人へ、また自分の皮膚の別の場所にうつります。
ウイルスの種類や感染した場所によりいろいろなタイプのイボができます。イボの種類によって、さまざまな治療法がありますが、どれも一長一短があります。
足の裏にできた場合は、ウオノメと間違えられやすいです。皮膚の深いところにイボのウイルスが入り込んでいるので、治りにくいです。 手や足の指にできるイボは、表面がザラザラして皮膚から盛り上がってきます。表面に黒い点がみえることがありますが、これはイボのウイルスによって飛び出てきた毛細血管です。
この状態のイボは、表面を削ると血が出やすくなっています。
顔にできる平らなイボは、多発することが多く、赤灰色っぽくみえることもあります。凍結療法を行い、治った後にしばらくシミっぽい跡が残ることがあります。
その他、陰部にできるイボがあります。陰部のイボは、塗り薬で治療する場合もあります。

治療方法

冷凍凝固療法
液体窒素という超低温(-196℃)の液体を綿棒などに染み込ませて、患部を急激に冷やす(低温やけどさせる)ことにより、皮膚表面の異常組織(ウイルスが感染した細胞など)を壊死させ、新たな皮膚の再生を促す治療法です。
イボの大きさにもよりますが、1回では全部は破壊できず、また増殖してくるため何回か処置が必要なことがほとんどです。
モノクロール酢酸、トリクロール酢酸等の薬品を塗布し、皮膚を腐食させていく方法
痛みを伴う冷凍凝固が不可能な方、特に子供に行うことが多い治療です。
外用療法としては角質軟化作用のあるサリチル酸が含まれたワセリンや貼付剤、角化細胞の増殖抑制作用のある活性型ビタミンD3が含まれた軟膏、タンパクを凝固変性させウイルスを不活性化させるグルタルアルデヒドや、ウイルスDNAを破壊するモノクロロ、トリクロロ酢酸などがあります。
ヨクイニン内服
内服療法としては ハトムギから生成される漢方薬のヨクイニンが一般的です。有効性についてははっきりしないところもありますが、数ヶ月内服し、ウイルスに対する免疫力を高めると考えられています。