とびひ

正式名は伝染性膿痂疹。あっという間に全身へ、二次感染も起こしやすいとびひ。

とびひとは

とびひの正式な病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」です。細菌による皮膚の感染症で、人にうつる病気です。
掻きむしった手を介して、水ぶくれ(水疱)があっという間に全身へ広がる様子が、火事の火の粉が飛び火することに似ているため、「とびひ」と呼ばれています。
ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌と略します)などが原因菌で、あせも・虫刺され・湿疹などをひっかいたり、転んでできた傷に二次感染を起してとびひになります。
また、鼻孔の入り口には様々な細菌が常在しているため、幼児・小児で鼻を触るくせがあると、鼻の周囲からとびひが始まったり、その手であせもや虫刺されなどをひっかくことでとびひになってしまいます

治療方法

症状が軽く、あまり全身に広がっていない時は、抗生物質の外用剤(軟膏)を1日に2~4回ぐらい塗布します。
抗生物質が入った軟膏は非常に効果がありますので、布に伸ばして患部に貼り、うみや分泌物が周囲につかないように、健康な皮膚と境をすることが大切です。
とびひが全身に広がっている場合は、外用剤に加えて抗生物質を内服します。普通は4日から7日で治ります。改善が悪い場合は皮膚の細菌培養の検査をして抗生剤の変更を行います。
かゆみがひどい時には、痒み止めの薬(抗ヒスタミン薬)を使う場合もあります。
発熱などの全身症状がなければ、シャワーを浴びて皮膚を清潔にしてください。しかし、かえってひろがることがあるので注意が必要です。
病変部は泡立てた石けんでそっと洗い、よくすすいで石けん分を落としてください。
かさぶたは無理に取る必要はありませんが、除去できるものは洗い流します。
とびひの治療は容易で、方法さえ正しければ、多くは4~5日、長くても1週間前後でよくなります。