統合失調症

精神的な負担が大きい環境など、様々な要因によって幻覚や妄想に悩まされ、思考障害に陥る病気。

統合失調症とは

統合失調症とは、脳内の統合する「まとめる」機能が失調している状態をいいます。精神機能のネットワークは脳内のさまざまな場所で行われています。 何らかの原因で、いろんな情報や刺激に過敏になりすぎてしまうと脳が対応できなくなり、精神機能のネットワークがうまく働かなくなることがあります。そのため、感情や思考をまとめることができなくなります。 その不調の場所によって、実在しない人の声が聞こえるなど、現実にないものをあると感じる幻覚が現れたり、周りで自分の悪口を言われていると思い込む被害妄想が出たりなど、さまざまな症状が出現します。 統合失調症の症状は大きく、幻覚や妄想などの「陽性症状」、意欲の低下などの「陰性症状」、臨機応変に対応しにくい「認知機能障害」にわけられます。

治療方法

統合失調症の治療は、主に薬による薬物療法と心理社会的な治療(精神療法やリハビリテーション)です。 薬による治療が基本ですが、早い段階から 心理社会的な治療をとりいれることが治療の効果を高めます。

薬物療法:
統合失調症の症状を抑えるために用いられる薬剤は「抗精神病薬」と呼ばれます。 抗精神病薬の作用は大きく分けて、幻覚や妄想などの陽性症状を改善する抗精神病作用、不安感や不眠などの症状を改善する鎮静催眠作用、感情鈍麻や意欲の低下などの陰性症状を改善する精神賦活作用の3つです。
心理社会的な治療(リハビリテーションや精神療法):
病気の症状で生じる日常生活のしづらさを改善し、安定した生活を送れるようにすること、また、患者さんの不安解消や精神の安定が目的です。 デイケア、作業療法、SST(生活技能訓練)、心理教育などのプログラムがあり、医療機関や地域の精神保健福祉センター、自立訓練事業所などで実施されています。