躁うつ病(双極性障害)

躁うつ病(双極性障害)は、極端にハイテンションで活動的な躁状態と、
憂うつで無気力なうつ状態をくりかえす脳の病気です。

躁うつ病(双極性障害)とは

激しい躁状態とうつ状態のある双極I型と、軽い躁状態(軽躁状態)とうつ状態のある双極II型があります。

躁状態になると、気分が高ぶり誰にでも話しかける、眠らなくても活発に活動する、次々にアイデアが浮かぶ、自分が偉大な人間だと感じられる、高額のローンを組んで大きな買い物をする、といったことがみられます。
いつもよりも妙に活動的で周りの人から「何だかいつものあの人と違う」「ちょっとおかしいのでは?」と思われるような軽い状態は、軽躁状態と呼ばれます。
一方うつ状態では一日中憂うつな気分が続き、眠れなくなったり、または逆に眠りすぎたりします。大好きだった趣味やテレビ番組にも関心がなくなったり、食欲が低下し、身体を動かすことがおっくうになるといった症状もみられます。
躁状態ではとても気分がよく、本人には病気の自覚がないため、うつ状態では病院に行くのですが、躁のときには治療を受けないことがよくあります。
しかし、うつ病だけの治療では双極性障害を悪化させてしまうことがあります。本人だけでなく、周囲の人も、日頃の様子や気分の波を見守り、躁状態に気づくことが大切です。

治療方法

双極性障害の治療には薬による治療と精神療法的アプローチがあります。早期に正しい治療を開始すれば、症状をコントロールしながら普通の生活を送ることができる病気です。

薬物治療:
基本的には、気分の浮き沈みを抑える薬を使用して治療を行います。 日本で用いられている薬には、リチウム、バルプロ酸、ラミクタール、カルバマゼピンがあります。 この疾患の治療は、長期間にわたって継続していく必要があります。それにより症状を安定させ、コントロールしながら社会復帰することができるようになります。 気分調整薬は双極性障害の躁状態とうつ状態の治療と予防に効果のある薬で、双極性障害の薬物治療の基本となります。
精神療法:
患者さん自らが病気をしっかり理解し、受け入れ、治療がうまくいくように自ら病気をコントロールすることを援助するものです。 精神療法だけでは双極性障害の治療は成り立ちませんが、薬物療法と併用しての精神療法は治療を順調に進めるうえで役立ちます。 この病気は、再発を繰り返すたびに次の再発までの期間が短くなり悪化しやすくなるため、再発を予防することがとても重要になります。 精神療法によって再発の兆しにすぐに気づき、対応することができるようになれば、再発時に早期に治療を始めることもできます。