生体防衛反応でもあるかゆみ。原因はさまざまであり、早めの受診、治療が大事。
かゆみ
かゆみとは、皮膚をこすったり引っ搔いたりしたくなるような不快な感覚のことをいいます。
原因は皮膚の病気や体の病気、精神的な病気などさまざまで、部分的に起こる場合もあれば全身に起こる場合もあります。
かゆみは皮膚や体の異常を知らせるサインであるとともに、体を守る一種の生体防衛反応であると考えられています。
乾燥や日焼けなどによるかゆみのほか、病気が原因になっていることも多いことから、原因の特定はもちろんのこと、皮膚状態の悪化を防ぐためにも早めの受診、治療が勧められます。
要因
日常で考えられる要因には以下のようなものがあります。
- 特殊な肌タイプ
- 皮膚のバリア機能が低下しやすい乾燥肌や敏感肌は、刺激物質に影響されやすく、髪の毛先が顔に触れたり、下着による皮膚の圧迫などのちょっとした刺激でもかゆみが起こることがあります。
- 加齢による皮膚の乾燥
- 年齢が上がると、皮膚の老化によって皮脂腺や汗腺の働きが低下し、皮膚の保湿力が失われて乾燥しやすくなります。
- 高温多湿や低温乾燥の環境
- 環境によって、汗が出やすかったり、または皮膚から皮脂や水分が奪われるなどの原因からかゆみが引き起こします。高齢者の皮膚のかゆみの、最も多い原因といわれています。
- 虫さされ
- 蚊、ノミ、ダニ、ブユ(地域によってはブヨ、ブト)、ケムシなどの昆虫に皮膚を刺され、毒性のある物質が体の中に入ることで、腫れやかゆみが起きます。
- 薬の副作用
- 飲んだり注射した薬や塗り薬によって、かゆみが起きることがあります(薬疹)。多くは薬物に対するアレルギー反応と考えられています。
- 皮膚のかゆみをともなう疾患
- アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎(かぶれ)、じんましん、水虫・白癬症、あせも、乾癬、皮膚そう痒症
治療方法
通常はスキンケアの対策(入浴の制限、皮膚の保湿、空気の加湿など)がかゆみの緩和に有用です。
炎症性の皮膚の病気に対しては、薬剤を用いた治療が中心となります。
薬の副作用やアレルギーが原因の場合は、かゆみの原因となる薬、食品の摂取を中止することが治療の基本です。
症状が出ているときには、抗ヒスタミン薬の内服やステロイドの内服・外用など、薬による治療が行われ、重症度が高い場合は点滴や注射による治療が選択される場合もあります。