掻くことで悪循環。正しい治療で症状が出ない状態にしましょう。
アトピー性皮膚炎 とは
アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。
その根本には皮膚の生理学的異常(皮膚の乾燥とバリアー機能異常)があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています。
また、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきて、かゆみを感じやすい状態となっており、掻くことによりさらにバリア機能が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
慢性的ではありますが、適切な治療をきちんと受ければいずれ治ったと同様の状態になることが期待されます。
治療方法
アトピー性皮膚炎の治療は、
- 1. スキンケア
- 2. 薬物療法
- 3. 悪化要因
の対策の3つが治療の基本となります。正しい治療を行うことで症状をコントロールし、湿疹などの症状が出ない状態にすることができます。
治療を開始すると、多くの方はすぐに見た目がきれいになります。しかし、目に見えない皮膚の下の炎症は続いていて、この時点で治療をやめてしまうと、すぐに湿疹が再発してしまいます。
治療のポイントは、ステロイド外用剤でしっかりと皮膚の炎症を抑えたあと、すぐに治療をやめずに、徐々にステロイド外用剤を塗らない日を増やしていくことで、炎症を抑えた状態を維持することです。
ステロイド外用薬を長期に使用すると皮膚が薄くなったり、にきびなどの局所的な副作用が出現したりすることがありますが、状態に応じて薬の使用間隔を調整しながら減らすことで、このような副作用を回避します。
このためにはスキンケアや環境整備により、アレルゲンや汗などへの対策を十分に行って悪化要因を減らしていく努力も欠かせないのですが、着実に薬剤を減らしながら湿疹のないお肌を維持できるようにします。