やけど

日常的なケガの一つでもあるやけど。ひどいときは感染症や合併症を引き起こすことも。

やけどとは

やけどは誰でも一度は経験するほど、よくある日常的なケガの一つです。熱湯や火などの高温のものに触れることにより、皮膚・粘膜に障害が起こります。
皮膚は本来、体内に菌が侵入するのを防ぎ、水分や体温を保持するはたらきをしています。
やけどを負うとこのはたらきが失われ、ひどいやけどでは感染症や、血圧・体温が低下するなどの合併症を引き起こすこともあります。
高温のものだけでなく、ホットカーペットや湯たんぽに長時間あたっていたことによる低温やけどもあります。
低温やけどは軽傷に思えて深くまで熱傷が到達し、長期に治療がかかることがあるため注意が必要です。
やけどは、その深さによってI度熱傷からIII度熱傷の段階に分けられます。

やけどの種類

I度熱傷:
水ぶくれはなく、皮膚が赤くなっている。
浅達性II度熱傷:
真皮中層まで及び、毛根や汗腺、皮脂腺などまでは損傷されないもの。痛みを感じる神経である知覚神経終末も残るため、鋭い痛みを伴う。
深達性II度熱傷:
真皮下層まで及び、皮膚付属器(毛根や汗腺、皮脂腺)や知覚神経終末も損傷を受けるため、浅達性II度熱傷よりもさらに鈍い疼痛を伴う。
III度熱傷:
皮膚が白あるいは黒っぽくなっており痛みがあまりない。

治療方法

やけどの応急手当として、すぐに冷やすことが最も大切です。水道水で構わないので、少なくとも20分程度は流水で流すことで症状が進むのを抑え、痛みを和らげる効果があります。
創部を冷やしながら出来るだけ早く皮膚科医の診察を受けることが、傷跡を最低限にし、早くやけどを治すことにつながります。

I度熱傷:
そのままでも傷跡を残さず治りますが、炎症を抑える成分の入った軟膏またはクリームで治療すると効果的です。
浅達性II度熱傷 / 深達性II度熱傷:
浅達性II度熱傷は、医師の診察を受け治療すると通常はおよそ3週間以内に治癒します。 これに対し深達性II度熱傷は、治療がうまくいっても治るまで4週間以上かかります。熱傷部位の湿潤環境を保ちつつ感染を予防するために、消毒・軟膏による治療がおこなわれます。
III度熱傷:
すぐに皮膚科を受診しましょう。 自然治癒には非常に時間がかかり 、場合によっては入院して皮膚移植が必要なほど深いやけどです。治癒には1か月以上の期間がかかり、跡が残ります。