膠原病は、真皮・靱帯・腱・骨・軟骨などを構成する蛋白質であるコラーゲンに
全身的に障害・炎症を生じる様々な疾患の総称です。
膠原病・自己免疫疾患
自分自身の臓器を構成する細胞・蛋白質に異常な免疫反応が起こることから、「自己免疫疾患」とも呼ばれます。
免疫力・抵抗力は、健康な状態であれば外部からの病原菌や異常な細胞に対してのみ働きますが、なんらかの原因でこのシステムに異常を起こし、細胞と外部から侵入した病原菌の識別が不可能となり、病原菌が存在しないにもかかわらず自身の組織を病原菌であると認識してしまいます。その結果、本来は病原菌にのみ反応するリンパ球や抗体が自身の細胞に対して産生され、体のあらゆるところに炎症を引き起こしてしまいます。自己免疫疾患では全身のあらゆる器官が攻撃対象となり、病気を起こします。
代表的な疾患が関節リウマチです。一部の糖尿病は膵臓が、バセドウ病は甲状腺が、それぞれ自己免疫の攻撃対象となった病気です。
治療方法
免疫抑制療法が基本となります。ほとんどの場合、炎症と免疫を強力に抑えるステロイド(副腎皮質ホルモン)が第一選択薬として用いられます。薬剤としてステロイドホルモンやメトトレキサート、シクロスポリン、エンドキサン、イムランなど、最近ではセルセプトという薬も使われるようになっています。
また、これらの薬には副作用が強いものが多く、副作用を軽減するための薬(胃腸薬、骨粗鬆症治療薬など)も一緒に用いられることがあります。
最近では、治療効果を強め副作用を減らす目的で、各種の注射薬も用いられています。透析のような形で血液を浄化する血漿交換や免疫吸着療法などの血液浄化療法も取り入れる場合があります。
治療の目的は、病気の勢いを押さえ、色々な臓器に起きる障害を防ぐことです。また、症状に応じた対症療法も行います。