前立腺肥大症

前立腺の病気のうち、最も多い病気。ホルモンバランスの崩れが原因とも。

前立腺肥大症とは

前立腺肥大症は、前立腺が肥大することにより尿道が圧迫されて排尿障害をきたす病気です。前立腺の病気のなかでもっとも多くみられる病気です。
排尿に関連する症状は日常生活に支障をきたすこともあるため、適切な治療が必要になります。
原因については、現在のところはっきりしたことは分かっていません。ただ、加齢とともに男性ホルモンの分泌が減り、そのために男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れることがおもな原因と考えられています。

治療方法

薬物治療
前立腺肥大が尿の通過障害を引き起こす理由として考えられる、2つのメカニズム。

(1)前立腺の平滑筋に対する交感神経の緊張が亢進して、前立腺(平滑筋)が収縮して、尿道を圧迫する。
(2)前立腺の収縮とは関係なく、大きくなった前立腺が物理的に尿道を圧迫して、通りを悪くする。

これにより、大きく分けて2種類の薬剤が広く用いられます。

(1)前立腺平滑筋を弛緩し(緩め)尿道の圧迫を解除して、尿を通りやすくする薬剤。
(2)前立腺を小さくして、前立腺肥大による尿道の物理的な圧迫を軽減する薬剤。

前立腺の肥大には男性ホルモンが関与していますが、この男性ホルモンの前立腺に対する作用を抑えることにより、前立腺は縮小します。
手術治療
薬物治療を行っても、症状の十分な改善が得られない場合や、前述したような肉眼的血尿、尿路感染、尿閉を繰り返す場合、あるいは膀胱に結石ができたり、腎機能障害が発生した場合には手術による治療が行われます。
保存治療
保存治療には、生活指導、経過観察、健康食品などがあります。
水分を摂りすぎない、コーヒーやアルコールを飲みすぎない、刺激性食物の制限、便通の調節、適度な運動、長時間の座位や下半身の冷えを避けるなどの生活上の注意は、前立腺肥大症の症状緩和に役立ちます。
健康食品については、ビタミン、ミネラル、サプリメント、ノコギリヤシなど、前立腺肥大症に有効と言われるものがありますが、科学的には有効性は示されていません。