掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

中年以降の年齢層に多い、まれな疾患。周期的に繰り返す特徴があり。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは

膿が溜まった膿疱と呼ばれる皮疹が手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に数多くみられる病気で、周期的に良くなったり悪くなったりを繰り返します。
膿疱は、白血球の一種で炎症反応に関係する「好中球」が皮膚の最上層の角層にたまった状態です。膿疱の中に菌は入っていないため、人に感染することはありません。
ときに、足と手のほかにスネや膝にも皮疹が出ることがあります。皮疹は小さな水ぶくれ(水疱)が生じ、次第に膿疱に変化します。
その後、かさぶた(痂皮)となり、角層(皮膚の最表層にある薄い層)がはげ落ちます。後にこれらの皮疹が混じった状態になります。出始めに、よくかゆくなります。
また、 慢性的に経過する中で、突然鎖骨や胸の中央の胸鎖肋関節などの関節が痛くなることがあります。
足の皮疹は水虫によく似ていますので、診断をはっきりさせるために皮膚表面の角層を一部取り、顕微鏡で調べて、水虫を起こすカビ(白癬菌)がいるかどうか調べる必要があります。
その他、間違いやすい皮膚病としてかぶれ(接触皮膚炎)や乾癬などがあります。どちらかというとまれな疾患で、比較的中年以降の人に多いようです。

治療方法

病巣感染や金属アレルギーなど、病気を悪化させる要因があれば取り除くようにし、もしこれらの増悪因子がみつからない場合は、対症療法を行ないます。
重症度に合わせて変わってきますが、最初の治療として、まず炎症をおさえるためにステロイド軟膏、ビタミンD3軟膏を使います。
かゆみが強かったり、新しい皮疹がたくさん出る場合は強いステロイド軟膏を使用し、良くなってきたら弱いステロイド軟膏や活性型ビタミンD3軟膏に変更します。
皮疹が頑固な場合は紫外線療法や短期間のビタミンA誘導体の内服を行うこともあります。